新規事業の立ち上げから事業拡大までには、4つのフェーズがあり、各フェーズに適したプロセスを踏むことが成功の鍵となります。新規事業には不安がつきものですが、適切なプロセスを理解し、実行することで、その不安を払拭し、事業を軌道に乗せることが可能です。

この記事では、新規事業を成功に導く4つのフェーズと必要なプロセスを具体的に解説します。

フェーズ1:領域選択とテーマ設定

新規事業を始める際、まずは新規事業の方向性を定めるために必要な調査と戦略の策定を行います。新規事業を立ち上げる際の最初のステップは、事業を展開する領域を選定し、具体的なテーマを設定することです。

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このプロセスは、事業の成功に大きな影響を与えるため、慎重かつ丁寧に行う必要があります。

領域選択とテーマ設定の画像

1.市場調査

市場調査は、競合分析とトレンド分析を行うことで、競合他社の製品やサービス、価格設定、マーケティング戦略を調査し、満たされていないニーズや差別化の必要性を検討・提案します。トレンド分析では、業界のトレンドや消費者の行動変化を把握し、デジタル化やサステナビリティなどに関連する事業機会を見つけることができます。

例えば、デジタル化やサステナビリティの重要性が高まっている場合、それに関連する事業機会を見つけることができるでしょう。

2.ターゲット顧客の定義

ターゲット顧客を明確に定義することは、以下の理由から重要です。

  • リソースの最適化
  • 製品・サービスの最適化
  • コミュニケーションの明確化

ターゲット顧客を明確にすることで、限られたマーケティング予算やリソースを、最も効果的な顧客層に集中させることができます。顧客のニーズや嗜好に基づいて製品やサービスを設計することで、顧客満足度を高め、成功に近づくことが可能です。

また、ターゲット顧客に合わせたメッセージやプロモーションを展開することで、効果的なコミュニケーションを図ることができます。

3.自社の強み・弱みの分析

自社の強みと弱みを知ることは、戦略を練るうえで重要です。リソース評価では、自社が持つ技術、人的資源、資金力などを評価し、競争優位性を持てる領域を特定します。

特定の技術や専門知識に強みがある場合、それらを活かせる領域を選ぶことで、新規事業の成功につなげることができます。苦手な分野ではなく、得意・強みのある分野で戦うことが新規事業を始めるうえで重要となることは明確です。

4.事業アイデアのブレインストーミング

事業アイデアのブレインストーミングには、下記のような種類があります。

  • 自由発想法(制約を設けず、アイデアを出し合う)
  • SCAMPER法(既存のアイデアを改良するための質問(Substitute, Combine, Adapt, Modify, Put to another use, Eliminate, Reverse))
  • マインドマッピング(アイデアを視覚的に整理し、関連性を見つける)
  • 逆転発想(目標とは逆のアイデアを考え、そこから新たな発想を得る)など

これらの手法を活用することで、チーム内のコミュニケーションが活発化し、成功可能な事業展開を検討することができます。

5.社内外のリソース確認

社内外のリソースを確認することは、新規事業を始めるうえでとても重要な項目です。特に社内では人材(チーム構成やスキルの把握など)、財務リソース(予算の確認、コストの確認など)、技術・設備(インフラの確認、ITリソースの確認)を明確化していくことが必要となります。

社外では、外部企業との連携、業界団体やネットワークの活用が重要視され、パートナーシップを意識することが重要でしょう。

6.仮説設定と検証

仮説を立て、その段階で実際に検証することが重要です。仮説に基づき、顧客インタビューや簡易プロトタイプのテストを行うことで、課題点や問題点を特定し、効率的に価値のある事業を検討することができます。

また、その結果チーム全体もスピードにのることができ、効率よく業務をこなすことにつながるため、全体的にいい雰囲気で新規事業を始めることができるでしょう。

フェーズ2:事業計画作成

事業計画の作成は、ビジネスの成功に向けた重要なステップです。このフェーズでは、ビジネスモデルの定義からリスク管理、チーム編成まで、事業を具体化し、計画の実現可能性を高めるプロセスを進めていきます。

事業計画の作成の画像

1.ビジネスモデルの定義

収益構造、提供価値、顧客セグメントなどを明確化し、事業の成功に必要な要素を整理します。これにより、事業の方向性が確立し、ステークホルダー間での共通認識を形成することが可能です。

具体的な収益モデルやマーケティング戦略を考えることも重要であり、ここで計画を具現化できるよう対策していくことが求められます。

2.フィージビリティスタディ

技術的・法的課題を含む事業の実現可能性を評価します。この調査は、計画の精度を高め、投資判断に役立ちます。

自社にとって事業が有益かどうかを見極める重要なプロセスです。

3.財務計画作成

予算、収支計画、資金調達計画を具体的に策定するものです。財務計画は、事業を健全に運営するための基盤を提供し、投資家やパートナーへの説明材料としても機能します。

財務計画は、事業の健全性を保ち、目標を達成するために不可欠な要素といえるでしょう。

4.プロジェクトスケジュールの策定

事業の進行をスムーズに管理するため、マイルストーンを設定します。これにより、目標達成に必要なリソースと工数が明確化し、効率的なスケジュール管理が可能になります。

予備的な日程も組み込むことで、業務やスケジュール調整がうまくいかなかった場合も、焦らずに対応することが可能です。

5.リスク分析とリスク管理計画の策定

潜在的なリスクを洗い出し、その対応策を計画します。リスクを予測し管理することで、事業運営における損失を最小限に抑えられます。

商品やサービスが人気になると思っていても、リスク管理は必要不可欠です。

6.必要なチームとリソースの確保

事業に必要な人材や設備、予算などを適切に計画します。これにより、効率的なリソース割り当てが可能となり、事業のスムーズな進行を支援します。

仕事ができるだけでなく、人柄や仕事に対する向き合い方など、メンバーの個性を把握したうえで人材を選択することが重要です。

7.KPI(重要業績評価指標)の設定

KPIは、初めに設定したゴール(KGI)の達成に向けたプロセスの達成度を計り、評価するための中間目標です。

目標達成までの進捗を測定するためのKPIを設定します。これにより、戦略や活動の成果を評価し、必要に応じて計画を修正することで、最終目標に向けた確実な進行が可能となります。

フェーズ3:事業立ち上げ

事業立ち上げは、計画を実行に移し、実際の市場で成果を生み出す重要なフェーズです。この段階では、プロトタイプやMVPの開発から顧客フィードバックの収集まで、事業の成長に向けた多岐にわたるアクションを行います。

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事業立ち上げのステップの画像

1.プロトタイプやMVP(最小限の製品)の開発

完成品を投入する前に、最小限の製品やサービスを開発し、市場のニーズを確認します。このアプローチは、少ないリソースで市場の反応を得るための有効な手段であり、新規事業を始める際に必要不可欠です。

収集したデータを基に開発の方向性を調整し、リスクを最小限に抑えることが可能になります。

2.テストマーケティングの実施

市場反応を確認するために、製品やサービスの試験的提供を行います。このプロセスで得た結果は、製品の改良や戦略の見直しに活用されます。

市場のニーズに適合しているかを評価し、改良ポイントを明確にすることができるため、テストマーケティングは重要なステップです。

3.製品・サービスのローンチ

市場への正式な製品投入を通じて、顧客との接点を生み出します。ローンチ時には、積極的なマーケティング活動を行い、認知度の向上に努める必要があります。

この段階での顧客の反応は、次の成長ステップの基盤となるため、注意深く把握しなければなりません。

4.オペレーション体制の構築

販売、サービス提供におけるプロセスを整備し、事業全体が円滑に機能するように体制を構築します。効率的なオペレーションは、事業のスケーラビリティを高め、持続可能な成長を支えます。

5.販売チャネルやパートナーシップの確立

製品やサービスを広く提供するため、効果的な販売チャネルを構築し、信頼できるパートナーとの協力関係を築きます。これにより、事業の展開速度が加速し、より多くの顧客にリーチすることが可能となります。

6.広告・プロモーション計画の実行

ターゲット顧客にリーチするため、広告やプロモーション活動を展開します。オンライン広告、ソーシャルメディア、イベントなど、多様なチャネルを活用し、製品やサービスの認知度を向上させることが集客力・話題性につながります。

戦略的なマーケティングが事業の成功に直結するといえるでしょう。

7.初期顧客のフィードバック収集と改善

初期顧客からのフィードバックを収集して、製品やサービスの改善に活かします。この段階での顧客意見は、事業の方向性を左右する貴重な情報源となるため、重要視する必要があります。

フィードバックを基に柔軟に対応し、顧客満足度と市場での競争力を向上させましょう。

フェーズ4:事業拡大

事業拡大フェーズは、既存の基盤を活かしてさらなる成長を目指す重要な段階です。このフェーズでは、経営資源を効率的に活用しつつ、新市場や新たな顧客層への進出、販売チャネルの多様化、そして組織体制の強化などを通じて、持続可能な成長を実現します。

これにより、企業の競争力を高め、事業規模の拡大を目指すことが可能です。

事業拡大戦略の画像

1.拡大戦略の策定

事業のさらなる成長には、新市場や新規顧客層への進出が欠かせません。既存の市場に留まるだけでなく、地域や業界を超えた新しい市場をターゲットにし、製品ラインやサービスの拡充を進める必要があります。

市場調査を基に潜在需要を特定し、戦略的にアプローチすることで、新たな収益源を確立します。また、既存の強みを活かしつつ、新たな価値を提供することで、顧客の満足度とリピート率を向上させ、競争優位性を築くことが可能です。

2.追加資金調達の検討

事業拡大に伴う資金需要を満たすため、多様な資金調達手段を検討する必要があります。投資会社やベンチャーキャピタルからの資金提供を受けるほか、銀行融資やクラウドファンディングなども選択肢となるため、自社のコネクションも考慮して検討します。

資金計画を立てる際には、拡大計画の優先順位を明確にし、適切な資金配分を行うことが重要です。これにより、成長戦略を実現するためのリソースを効率的に確保し、財務基盤を強化することが可能となります。

また、投資家や金融機関との信頼関係を築くことで、長期的な資金調達の安定性を確保することができます。

3.販売チャネルの拡大

製品やサービスをより多くの顧客に届けるため、新たな販売チャネルの開拓と既存チャネルの強化を進めます。国内市場に加え、海外市場への進出も検討し、国際的な販路を拡大していきます。

オンラインプラットフォームやパートナーシップを活用することで、アクセス可能な顧客層を拡大し、売上増加を図ることが可能です。また、販売プロセスのデジタル化により、コスト効率を高めつつ、顧客との接点を強化することで、持続的な収益拡大を可能にします。

4.人材の拡充と組織体制の強化

事業拡大に伴い、組織体制を再編し、必要な人材の確保と育成を行います。特に、専門性の高いスキルや多様な文化的背景を持つ人材を採用することで、グローバル市場への対応力を強化することが可能です。

さらに、既存の従業員に対しても、継続的なスキルアップの機会を提供し、モチベーションとパフォーマンスを向上させます。適切な人材配置と効率的な組織運営により、スケーラブルで柔軟な事業運営を実現できます。

5.システムやプロセスの最適化・自動化

業務プロセスを見直し、自動化やデジタルツールの導入を通じて効率化を図ります。これにより、人的リソースをより戦略的な業務に集中させることが可能になります。

また、データ分析を活用した意思決定プロセスの強化により、迅速かつ正確な対応を実現することが可能です。効率化された業務プロセスは、コスト削減だけでなく、成長のための基盤構築にも寄与するため、積極的に活用しましょう。

これにより、事業運営の競争力を大幅に向上させることが可能です。

6.ブランド強化とマーケティング戦略の再構築

事業の規模拡大に合わせて、ブランドイメージを強化し、マーケティング戦略を再構築します。市場動向や顧客のニーズを的確に把握し、ブランドの価値を伝える施策を展開していきます。

また、データドリブンなマーケティングアプローチを採用し、投資対効果の高いキャンペーンを実施することにより、ブランド認知度を高め、競争力を維持しつつ、新規顧客の獲得と既存顧客のロイヤリティ向上を目指します。

7.パートナーシップやアライアンスの拡大

他企業や団体との連携を強化し、事業の成長を支える強固なネットワークを構築します。パートナーシップやアライアンスを通じて、互いの強みを活かし、弱点を補完することで、相乗効果を生み出すことが可能です。 また、共通の目標に基づいた協力関係を築くことで、新たな市場や事業領域への進出を加速します。このような戦略的提携は、双方の事業成長を促進するだけでなく、長期的な競争力の向上にも寄与します。

まとめ

本記事では、新規事業の立ち上げから拡大までの4つのフェーズについて解説しました。

第1フェーズでは市場調査やターゲット顧客の定義、自社の強みと弱みの分析を行い、第2フェーズではビジネスモデルの定義やリスク管理計画の策定を通じて、事業計画を具体化します。第3フェーズはプロトタイプ開発やローンチなど、実際の事業運営に焦点を当て、第4フェーズでは、事業拡大のための戦略を策定し、実行に移します。

各フェーズで適切な手順を踏むことで、堅実な事業設計が可能になるでしょう。

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